Service Information --- TMC Report #0008
■トップマネジメント・カフェ レポート (第8回)■
第8回トップマネジメント・カフェを開催。自ら教育現場に身を置く内田樹氏が、現代の若い世代における「学びからの逃走、労働からの逃走」の背景を説明付けてくださいました。
2005年6月25日、箱根奥湯本の「ホテル はつはな」にて、第8回のトップマネジメント・カフェ(TMC)を開催しました。多くの文献からの特に核心を突いたメッセージを引用しながら、現代の教育の現状と、NEETに代表される若年層における行動様式について考察していただきました。一見、自立していて個性的であるように見える若者は、実は社会的地位作りにおいてリスクヘッジ能力が未熟です。そしてその帰結としての社会的格差が広がってきているのだそうです。
2004年、今回のトップマネジメント・カフェ講師である内田氏との共著を出版した平川より、開会の挨拶と今回のテーマ設定についての説明がありました。
教育現場にいる内田氏による、「学びからの逃走」の実態から説明が始まりました。最初は笑って聞いていられましたが・・。
日本の小学校高学年~高校生の子供たちの「学びからの逃走」が国際的な統計でも示されています。しかし実態はもっと深刻で、多くの子供たちが「学校の勉強を嫌悪している」「校外学習時間ゼロ」という状況なのだそうです。内田様が教鞭をふるう大学でも愕然とする事象が日常的に起きています。
文章(活字)を読む際に、「読めない」「知らない」単語があっても気にならない。「虫食い」のメッセージを吸収している。分からない部分が残っていても全体の雰囲気が感じられればメッセージが伝達したとする習性なのだそうです。だから、正しい漢字も身についていません(写真↓ )
虫食い文章は彼らの目に映る「穴だらけの世界」と一致しています。
さて、ここから内田氏の考察が展開されていきます。子供たちはどういう時代に生まれ、どのように初めての社会との接点を体験したのでしょう。以前は、家事を手伝ったりすることにより、社会的活動は奉仕することから始まるということを身に着けました。現代の子供たちは、初めての社会との接点を「消費主体」として経験します。両親、親族による資金供給のもと、「何が自分が欲しいモノか」、「消費する価値があるものか」を豊富な情報源から探す姿勢ができてしまっています。学校へ行って興味度の低い授業を「苦役」と感じ、なんで授業料を払って(または)貴重な自分の時間を費やして、こんなサービス受けなきゃいけないんだよ、という消費者的(顧客的)な姿勢になります。集中力が高まるわけがありません。

「奉仕すること」が自分と社会との接点を生み出すという姿勢も形成されずにいます。ですから、初めてもらう賃金の安さに嫌気がさして離職し、いずれNEETになっていきます。個性を伸ばすとか自己決定とかと言われて久しいですが、子供たちは安易な自己の価値基準で「奉仕する(overachieve)」することを避けます。
結局社会的地位を得られずに時が過ぎます。そして、「奉仕」ができた子供たちとの社会的格差になっていきます。意欲格差が社会的格差の原因として定着しつつあるのだそうです。
今回は、前回、前々回とお世話になった箱根ハイランドホテルとおなじ小田急グループの「はつはな(http://www.odakyu-hotel.co.jp/hatsuhana/)」を利用しました。
ハイランドホテルのときからお世話になっている藤島様にご挨拶および宿の紹介をいただきました。
